Menicon Miru 福岡天神店遠近両用コンタクトの仕組み
スマートフォンで細かい文字を読んだり、パソコン作業から遠くの時計へ視線を移したりした際に、ピントが合うまで時間がかかると感じたことはありませんか。
年齢を重ねるにつれて起こる手元の見えにくさは、多くの方が経験する自然な変化です。そのような見え方をサポートする選択肢として「遠近両用コンタクトレンズ」があります。
この記事では、遠近両用コンタクトレンズの基本的な仕組みや、「同時視型」「交代視型」といったレンズ設計の違い、そしてハードレンズとソフトレンズそれぞれの特徴について詳しく解説します。ご自身の目の状態やライフスタイルに合うレンズ選びの参考にしてください。
最終更新日:2026/09/05
執筆:Menicon Miru 福岡天神店ブログ担当
この記事の要点
- 遠近両用レンズは1枚に「遠く用」と「近く用(加入度数)」の度数を持つ
- 設計には、脳が映像を選ぶ「同時視型」と視線を使い分ける「交代視型」がある
- ソフトレンズは装用感に優れ、多くが同時視型を採用している
- ハードレンズは乱視矯正に優れ、クリアな視界を得やすい特徴がある
遠近両用コンタクトレンズの基本的な仕組み
遠近両用コンタクトレンズは、1枚の小さなレンズの中に「遠くを見るための度数」と「近くを見るための度数」が巧みに配置されているのが最大の特徴です。
一般的な単焦点のコンタクトレンズ(近視用や遠視用)は、レンズ全体が1つの度数で作られており、特定の距離にピントが合うように設計されています。そのため、年齢とともに目のピント調節機能が低下すると、遠くに合わせたレンズをつけたままでは手元が見えにくくなる現象が起こります。
遠近両用コンタクトレンズは、目の中に入ってくる光をレンズの構造によってコントロールすることで、遠くから手元まで幅広い距離を見やすくする仕組みを持っています。
近くを見るための「加入度数(ADD)」
遠近両用レンズには、遠く用の度数に加えて、手元を見るための追加の度数である「加入度数(ADD)」が設定されています。目の状態や年齢の変化に合わせて、この加入度数を適切に選ぶことが、快適な見え方につながります。
レンズ設計の違い:「同時視型」と「交代視型」
1枚のレンズに複数の度数を配置する方法(設計)には、大きく分けて「同時視型」と「交代視型」の2つの仕組みがあります。それぞれの仕組みを理解することで、見え方の特徴がイメージしやすくなります。
同時視型(どうじしがた)
レンズの中心から外側に向かって、遠く用の度数と近く用の度数が同心円状などに配置されている設計です。目には遠くの映像と近くの映像が「同時に」入ってきます。
その両方の映像の中から、脳が見たい距離の映像を無意識に選び取ってピントを合わせるという、非常に高度な仕組みです。視線を大きく動かさなくても遠近が見えるため、現在のソフトコンタクトレンズの遠近両用は、ほとんどがこの同時視型を採用しています。
交代視型(こうたいしがた)
レンズの上部に遠く用の度数、下部に近く用の度数が配置されている設計です。遠くを見るときは正面(レンズの上部)を、近くを見るときは視線を下げて(レンズの下部)を見ることで、使う度数を切り替えます。
遠近両用のメガネ(累進屈折力レンズ)に近い感覚で、見たい距離に応じて視線を使い分けるため、コントラストがはっきりしやすいのが特徴です。主に、目の中でレンズが動くハードコンタクトレンズで採用されます。
見え方に慣れるまでの期間
特に同時視型の場合、脳が新しい見え方(映像の選択)に適応するまで、個人差はありますが数日から数週間程度かかることがあります。初めは違和感があっても、徐々に慣れていくことが多いです。
ハードレンズとソフトレンズの遠近両用の違い
遠近両用コンタクトレンズを選ぶ際、素材が「ソフト」か「ハード」かによっても特徴が大きく分かれます。素材の特性と遠近両用の設計が組み合わさることで、装用感や見え方の得意分野が異なります。
ソフトコンタクトレンズ
水分を含んで柔らかく、目へのなじみが早いのが特徴。1日使い捨てや2週間交換など交換サイクルが豊富で、ほとんどが同時視型を採用。
ハードコンタクトレンズ
硬い素材で乱視の矯正に優れるのが特徴。輪郭の鮮明さを求める方に向いている場合がある。
ソフトレンズの遠近両用の特徴と主な選択肢
ソフトレンズの遠近両用は、レンズが柔らかいため異物感が少なく、初めてコンタクトレンズを使う方でも比較的慣れやすいというメリットがあります。スポーツなど体を動かす場面でもズレにくく安心です。
メニコンの製品から、おすすめの選択肢を2つご紹介します。
毎日清潔に使いたい方に:1DAYメニコン プレミオ マルチフォーカル
1日使い捨て(ワンデー)タイプの遠近両用レンズです。毎日新しいレンズに交換するため、レンズケアの手間がなく、清潔な状態で使用できるのが大きな魅力です。
さらに、このレンズはメニコン独自の「SMART TOUCH」パッケージを採用しています。ケースを開けるとレンズの内面(目に触れる側)が下を向いているため、指で内面に触れることなく、裏表の確認も不要でスムーズに装着できます。
乱視でお悩みの方にも:2WEEKメニコン プレミオ 遠近両用シリーズ
2週間交換(2ウィーク)タイプの遠近両用レンズです。ワンデータイプに比べてコストパフォーマンスが良く、日常的にコンタクトレンズを使用する方に向いています。
注目したいのは、このシリーズには「2WEEKメニコン プレミオ 遠近両用 トーリック (乱視用)」という、乱視と老視を同時にサポートするレンズもラインアップされている点です。「乱視があるからソフトの遠近両用は難しいかも」と諦めていた方にも、有力な選択肢となります。
ハードレンズの遠近両用の特徴と主な選択肢
ハードレンズの遠近両用は、硬い素材が角膜の形を覆うため、レンズと角膜の間の涙がレンズの形に沿ってレンズの一部のように働き、強い乱視でもクリアな視界を得やすいという大きな強みがあります。
また、コントラストがはっきりとした見え方を求める方や、長年ハードレンズを愛用していてその見え方に慣れている方にも向いています。
定期交換型のハードレンズ:フォーシーズン バイフォーカル
「フォーシーズン バイフォーカル」は、3ヶ月ごとに新しいレンズに交換する、新しいスタイルの遠近両用ハードコンタクトレンズです。
従来のハードレンズは長期間(数年)同じレンズをケアしながら使用するのが一般的でしたが、フォーシーズン バイフォーカルは3ヶ月で交換するため、レンズに傷や汚れが蓄積する前に新しいものにでき、良い状態を保ちやすいのが特徴です。また、お手元にスペアのレンズがある状態になるため、万が一の紛失や破損時にも心強いシステムです。(※フォーシーズン バイフォーカルは定額制サービス「メルスプラン」専用商品です)
ハードレンズの注意点
ハードレンズは特有の装用感(まばたきの際の異物感など)があるため、初めて使用する場合は慣れるまでに少し時間がかかることがあります。
自分に合うレンズを選ぶための確認ポイント
遠近両用コンタクトレンズには様々な種類があるため、ご自身に最適なものを見つけるためには、以下のポイントを整理しておくことが大切です。
- 一番見たい距離はどこか:車の運転など「遠く」を重視するのか、パソコンや読書など「中間~手元」の作業が多いのかによって、最適な度数や設計が変わります。
- 目の状態(乱視の有無など):乱視の程度によっては、ソフトレンズの乱視用遠近両用や、ハードレンズが適している場合があります。
- ケアの手間とコスト:毎日新しいものを使いたいならワンデー、コストを抑えつつケアも行えるなら2ウィークやハードレンズなどが選択肢になります。
必ず眼科で検査を受けましょう
見え方や装用感には個人差があり、年齢によって必要な加入度数も変化します。ご自身で判断せず、必ず眼科を受診し、目の状態の確認と実際のレンズ装用テスト(トライアル)を行ってから処方を受けてください。
遠近両用コンタクトレンズに関するFAQ
Q遠近両用コンタクトレンズを使い始めるタイミングは?
A.スマートフォンや本の文字を無意識に遠ざけて読んでいたり、夕方になると目が疲れやすくなったりした時が1つの目安です。年齢を問わず、手元の見えにくさを感じたら一度眼科へご相談されることをおすすめします。
Q遠近両用レンズにすれば、老眼鏡は全く不要になりますか?
A.遠近両用コンタクトレンズは、日常生活の幅広い距離をある程度見やすくするレンズですが、非常に細かい文字を長時間見る場合など、状況によってはリーディンググラス(老眼鏡)との併用が必要になることがあります。
Q乱視があっても遠近両用は使えますか?
A.乱視の種類によりますが、お使いいただけます。ハードレンズは素材自体が乱視矯正に優れていますし、ソフトレンズでも「2WEEKメニコン プレミオ 遠近両用 トーリック (乱視用)」のように乱視に対応した遠近両用レンズがございます。目の状態によって適したレンズが異なりますので、眼科でご相談ください。
まとめ
遠近両用コンタクトレンズは、1枚のレンズに遠くと近くの度数を配置し、見たい距離にピントを合わせやすくする仕組みを持っています。
レンズには「同時視型」と「交代視型」の設計があり、装用感に優れるソフトレンズ(1DAYメニコン プレミオ マルチフォーカルなど)や、乱視矯正に強いハードレンズ(フォーシーズン バイフォーカルなど)といった様々な選択肢があります。ソフトレンズには乱視と老視を同時にケアできるタイプもあります。
見え方や装用感には個人差があるため、ライフスタイルに合わせて、まずは眼科を受診し実際にレンズを試してご自身に合うものを見つけてください。